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Team MCT

アスリートの本当。
~40代、50代からのコンディション維持とパフォーマンスアップのために~

対談動画はこちらからご覧いただけます。

葛西紀明(52歳)

株式会社土屋ホーム、スキー部選手兼任監督。19歳の初出場以来、史上最多となる計8回の冬季オリンピックに出場。冬季オリンピックスキージャンプ最年長メダリストなど多くのギネス世界記録をもつ。

藤原新(43歳)

スズキAC男子マラソンヘッドコーチ。現役時代のベストタイムは2時間7分48秒。東京マラソンで2度の2位に加え、夏季オリンピック、世界選手権など日本代表としてしても活躍。

今回はスキージャンプ界のレジェンドである葛西紀明さんと、元マラソン日本代表で、現在は実業団チームで指導者を務める藤原新さんが対談します。ランニングという共通の話題を通じ、自分のカラダとの向き合い方、コンディショニングについてなど話は大いに盛り上がりました。年齢を重ねても情熱とエネルギーを燃やし続ける秘訣について迫ります。

年齢に合わせたトレーニングと調整が重要

藤原 今日はよろしくお願いいたします。葛西さんはすでに50歳を越えられていますが、これほど長く競技を続けている選手はジャンプでは他にはいないですよね?率直な質問ですが、なぜ体がそこまで元気なのですか?

葛西 なんででしょうね(笑)たしかに体は丈夫だと思います。ただ小さい頃は体が弱くて、何かしらスポーツをやった方がいいと言って勧められたのがランニングだったんです。中学生の時に1500mを走ったこともあるんですよ。4分30秒くらいでした。

藤原 それは速いですね。僕もだいたいそれくらいでしたから、そのまま陸上やっていたら陸上で活躍していたかもしれませんね。

葛西 もうちょっと頑張ってみればよかったかな(笑)。でも走ることは今も続けていて、今も毎朝30分くらいは走っているんです。

藤原 僕の中でのイメージではジャンプ競技は瞬発系のスポーツだと思っていたので、葛西さんが長距離選手だったというのは驚きましたし、今もトレーニングで走っているというのも意外です。

葛西 ジャンプは瞬発系ですが持久力も必要ですし、ランニングは減量にもつながります。また体の筋肉がバランス良くつくんです。それに走っている時はいろいろ考えられるじゃないですか。ランニングは自分をここまで駆り立てている源のひとつだと思いますね。

藤原 ランニングってフィジカルトレーニングであると同時に瞑想のような面もあり、イメージトレーニングする場としていたのは僕も一緒でした。今はどのくらいの距離を走られているんですか?

葛西 今はだいたい月に100kmくらいでしょうか?スキー選手の中で一番走っていると思いますよ。藤原さんはいつから走られているんですか?やっぱり子どものころから速かったんでしょうね?

藤原 運動会の短い距離の徒競走はいつも3番でしたが、持久走大会になると1番でした。それで力試しに中学校で走り出したら、そこそこに走れて、名門の高校に入れ、大学も強豪から声をかけていただき、卒業後は実業団にも呼んでいただけたんです。でもずっと自分の意識も結果も「そこそこ」という感じでした。25歳の時に「自分の人生はそこそこで終わっていいのか」と感じたことをきっかけに、本気で練習に取り組み始め、2008年に行われた世界大会の日本代表の補欠になったんです。でも補欠というのが悔しくて、そこから練習を180度変えて、4年後は代表になりました。

葛西 180度変えるってどのように変えたんですか?

藤原 僕はマラソンでスタートするまで自分の調子がコントロールできず、パフォーマンスに波があったんです。それまでは長い距離をゆっくり走ることと、短い距離を早く走るコンビネーションの練習だったんですけど、そこから長い距離をできるだけ速く走るっていう練習に変えたんです。それができるようになるとスタートに立った時点で「自分が勝って当然」という自信がつきます。練習がうまくいった時には怖いものなしでした。

葛西 すごい練習ですね。練習の質も量も増やしたことで怪我はしませんでしたか?

藤原 はい、故障のリスクも大きくて実際に怪我が原因で36歳で現役を退きました。でもその終盤は葛西さんの存在を知り、「自分も40歳まで頑張ろう」と思って頑張っていましたよ。ちょうど「レジェンド」という言葉で葛西さんが表現されるようになった時期です。

葛西 2014年くらいですね。42歳の年にメダルを取ったんですけど、たしかスイスの記者が「あなたはレジェンドだ」って言ってくれたのが広まったんです。最初は恥ずかしかったですけどね。

藤原 ちょうど今の僕くらいじゃないですか!?葛西さんを見ていると自分も「もう1回夢を見ようかな」と思わせてくれますよね。ランニング以外ではどんなトレーニングをされているんですか?

葛西 飛ぶ時のパワーを鍛えるためにウェイトトレーニングは力を入れています。ピークの時はスクワットで200kgくらい上げていましたよ。今はできませんが(笑)

藤原 ランニングで軽さを作り、ウェイトトレーニングでジャンプ力を養っていたんですね。

葛西 30歳くらいの時がピークで、当時はトレーニングをやり過ぎと言われていました。2002年の世界大会は調子も良くてメンタルも最高の状態でしたが空回りして結果が出なくて。そこからトレーニング量を1/5まで減らしたんです。そうしたら次のシーズンは世界選手権でメダルを3つ取れました。そこまでの貯金があったからこそですが、トレーニング量を減らすことで、体の疲労が抜け、リフレッシュできて急にパフォーマンスが上がりましたね。

藤原 年齢に合ったトレーニングと調整が大切ということですね。それはマラソンも同じです。

葛西 ランニングのトレーニングで、今の僕にオススメのものはありますか?

藤原 走る以外にもいろいろなトレーニングがあるのでバランスよく取り組んでいただきたいですが、僕のオススメは階段です。同じ走るにしても瞬発系を鍛えるトレーニングで、10秒や20秒、階段を一気に駆け上がるとゆっくり走るのとは逆の刺激になります。階段は故障のリスクも少ないのでぜひやって欲しいですね。

葛西 いいですね。一段抜かしでいくと速く動かす筋肉が鍛えられ、さらにいくと跳ねる筋肉が鍛えられる気がします。

藤原 大股でいくと股関節を使いますし、小幅でいくとふくらはぎ周りが鍛えられます。呼吸を伴うスクワットという感じになりますよ。ただパワー系のトレーニングをいきなりやると体がびっくりしてしまうので、そこだけ気をつけてください。階段は僕も市民ランナーの皆さんにはお勧めしています。

オンオフの切り替えで、頭をリフレッシュ

藤原 葛西さんはどのような意識で食事を取られていますか?

葛西 練習と同じで若い頃はいくらでも食べ、トレーニングもたくさんして体重維持をしていました。でも30歳を越えると痩せづらくなり、40歳を過ぎると減量をしないといけなくなったんです。以前は栄養士をつけていましたが、今は自分で勉強し、五大栄養素を中心に考えながら食べています。ジャンプは体重制限があって痩せ過ぎてはダメなんですが、重いと損をするのでギリギリまで落とすんですよ。体重1kg重いと2m記録が変わると言われるくらいです。

藤原 マラソンには体重制限はありませんが、軽い方が有利と言われているところは似ていますね。でもしっかり食べないと動かないからそこが難しい。僕も普段は4000kcalは普通に食べましたが、絞る時には3000kcalを切らないくらいのところまで落としていました。

葛西 僕らは1日1500kcalです。1食500kcalの計算です。きついですよ。

藤原 それは大変ですね。すべて含めて、今、50歳を過ぎて、疲れませんか?

葛西 疲れないです。自分でもびっくりするくらい疲れません。自分の体を解剖して欲しいくらい(笑)

藤原 なんで疲れないんでしょうか?エネルギーの取り方ですか?

葛西 やっぱりマラソンだと思います。それに食べることも好きです。また疲労回復のためには僕は頭の中から疲れを取りたいと思っていて、美味しいものを食べたり、映画を見たりなどしています。もちろん体のケアもマッサージなどでしていますよ。

藤原 頭から元気にするというのは僕も理解できます。悩んだ時に考え抜いて解決しようとするのではなく、脳もフィジカルのひとつと考え、たくさん寝て、栄養のあるものを食べて、寝て休めば、悩みも忘れていく。そういう解決策が近道だし、そういう経験をたくさんしてきました。

葛西 これは40歳くらいにならないとわからないかもしれないですね。僕も競技のことは競技場でしか考えないようにして、スパッと切り替えるようにしているんですよ。

藤原 日本人はそういうオンオフの切り替えが苦手なところがあると思いますね。僕らの世界でも24時間、陸上のことを考えることで成功している場合もありますので、それはそれで正解だと思いますが、張り詰め過ぎると疲れてしまいますね。

MCTを活用し、ますますの活躍を!

藤原 葛西さんはMCTを活用されているとうかがいましたが、どのような形で取っているのですか?

葛西 以前は減量のために断食をしたり、コーヒーダイエットをしたりしていましたが、一回、断食中に筋トレもしていないのに筋肉痛になったことがありまして。これは絶対に体に何かが足りていないと思い、MCTを摂り入れました。以前は減量中はお腹がぐーぐーなっているのに、MCTを摂るようになってから、それがなくなりましたね。簡単に素早く摂れるので、今は私だけでなく、チームの他の選手も摂り入れています。

藤原 僕は減量というよりエネルギー源として使っています。糖は2000kcalから1800kcalとしてしか体に蓄えられず、計算上、30kmでなくなってしまいます。そこで決め手となるのが脂肪代謝能力なんです。MCTを摂っていると最初から脂肪をエネルギーとして供給できます。そうすると糖の節約ができ、ラストスパートで大きな力を発揮できる。ラストまで体力が残っていると気持ちいいですよ。

葛西 僕は減量と体のケアという視点が強かったですね。

藤原 競技特性でいうとジャンプは瞬発力が強いので、使うエネルギーは糖がメインだと思います。ですのでジャンプの選手はコンディショニング重視、ランナーの場合はエネルギー源としてというのは間違っていないでしょう。葛西さんも減量の時にMCTを摂って走れば、枯渇感なく走れるはずですし、減量もスムーズにいくはずですので、ランニング前にMCTを取るというのはすごくいいアイデアです。葛西さんは今、どのような形で食事に摂り入れていますか?

葛西 オリーブオイルのようにサラダにかけて食べることが多いですね。あと僕は肉が好きなので、肉料理にもかけています。霜降りの肉だけは苦手なんですが、赤身の肉や鶏ささみなどにかけると程よくジューシーになって美味しいですよ。

藤原 僕も40代になって霜降りの肉が苦手になってきましたので気持ちは分かります(笑)僕のおすすめの摂り方は朝練習前ですね。空腹の状態でコーヒーに混ぜて飲む。そうすると脂肪代謝能力が大きく上がります。ランナーにとって朝練習の意味は練習量を確保することもありますが。体を絞る意味合いも強いんです。その意味では最高のタイミングだと思います。市民ランナーの方も仕事などで忙しくて、朝に走っている人も多いと思いますが、コーヒーに混ぜて飲めば、気合いも入るし、脂肪も燃えるし、最高です。

葛西 僕もコーヒーが好きですし、朝に走るのは朝食前なのでやってみます。脂肪も落としたいですし、元気でいたいし、持久力もつけたいですしね。

藤原 コーチになった今、過去の自分にアドバイスできることってなんだろうってよく考えるのですが、「もっと食べて、もっと寝て、練習はそこそこでいいい」という結論になりました。葛西さんが元気な秘訣を3つ挙げるとしたら何になりますか?

葛西 脳にストレスを溜めないことがまず一番ですね。あとは年齢を見極めた練習をすること、そして食事ですね。減量して体重調整は必要な競技ですが、自分の目標が達成できた時にはご褒美で好きなものを好きなだけ食べたい。それも脳のストレス解消につながってきますから。

藤原 今日はありがとうございました。本当に楽しい対談でした。葛西さんはちょうど10歳上ですが、僕も現役に戻ろうかなと本気で考えられるほどにパワーをもらいました。

葛西 僕たちもまだまだこれからですよ。指導者として若い選手を育てていって欲しいですし、その選手たちを世界のトップにしていくというのも僕らの使命だと思います。もちろん僕自身も今日の対談で学んだことを活かしていきます。これからもお互いに頑張りましょう。