私が脂質をエネルギー源とすることに興味を持ち始めたのは、大学院生の時です。当時からフルマラソンを走っていたこともあり、「マラソンでグリコーゲンを欠乏させないための方法」に関する研究に着目しました。その過程で、グリコーゲンを「ため込む(カーボローディング)」ことは広く実践されているのに、「消費を抑える」ことが実践されないのはなぜなのか? と考えたことが、脂質をエネルギーとして利用しながら走る方法を模索するようになったキッカケです。
社会人になってからはほぼ全ての練習を脂肪が燃焼しやすい「朝ラン」にシフト。その結果2008年の福岡国際マラソンで2時間20分16秒の自己新が出ました。現在もしばしば朝食前、身体にグリコーゲンが少ない状態で10~20km走っています。
朝ランとともに私自身も実践し、また多くのランナーにお勧めしたいのが食事で脂質を積極的にとることです。普段の食事から脂質をとることで、身体が脂肪を燃焼しやすくなるという反応が起こり、低グリコーゲン状態でのトレーニングと組み合わせることにより脂質代謝能力を効率的に高められることが期待できるのです。とはいえ、日常的に脂質の多い食事をすることは、体脂肪の増加など数々の問題が起こると考えられます。
そこでランナーの皆様にお勧めするのが、短時間でエネルギーになり、体脂肪がつきにくい中鎖脂肪酸(MCT)です。自然界にはあまり存在しない油ですが、最近ではいろいろなメーカーから販売されています。オイル以外にもゼリータイプのものもあり、運動前などにも摂取しやすくなっています。
MCTオイルは食事の際、サラダにかけたりスープの中に入れるのがお勧めです。また、脂質の代謝をよくするためにビタミンが多く含まれているフルーツや野菜ジュースなどを一緒にとるのがいいでしょう。1日6g程度を6~8週間続けると体質の変化が期待できます。MCTを摂取することで、高強度運動を行った際に疲労困憊までの時間が長くなるというデータもあります(下記グラフ)。
さらに、レース当日の朝食を高脂肪食にするだけでも効果があると考えています。
マラソン前は糖質を多めに食べて身体にグリコーゲンを蓄える「カーボローディング」をしている方が多いと思いますが、身体は運動前に糖質が多い食事をするとグリコーゲンを、脂肪分が多い食事をすると遊離脂肪酸を一時的に多くエネルギー源として利用しやすくなります。私が行った実験でも、カーボローディング後に当日の朝食を高脂肪食にしてフルマラソンのレースペースで走った結果、当日も高糖質食の場合と比較してグリコーゲンの消費を抑えられることが分かりました(下記グラフ)。私自身もレース前日までは糖質を多めにとり、当日の朝食では脂質の割合を増やしています。2014年のびわ湖マラソンではこの食事法で2時間20分17秒を出せました。
前述のように、同じ油でもMCTであれば一般的な脂肪を含む食材よりも早くエネルギーになりますし、ゼリータイプなどは持ち運びがしやすいので、さらにレース向きといえるかもしれません。「いつも終盤にガス欠する」という人はぜひ取り入れてみてください。
ただ、運動前の脂質摂取は「体質的に合う合わない」がありますので、必ず一度は事前に試してみましょう。
スティックタイプで手軽に持ち運べるソフトゼリー。
アンチドーピング認証取得でアスリートも安心。
無味無臭でいろいろな料理や飲み物に使いやすい。
MCT(中鎖脂肪酸油)100%のオイル。
希少なココナッツオイルを100%使用し、
食品添加物・保存料を無添加で国内で充填した商品。
シンガポールのココナッツ製品メーカーが、
科学的工程を一切加えない製法で作ったMCTオイル。
ココナッツ専物店が製造。非加熱の自然製法で抽出した有機ココナッツオイルを使用している。