フルマラソン完走に消費されるエネルギー量は約2,500kcal。体内に蓄積できる糖質の量は約2,000kcalのため、失速せず走り続けるためには「脂質」をエネルギーとして使うことが重要です。今回は、MCTを習慣化しながらトレーニングをしているランニングチーム「ブレイクスルー」の2名が、負荷に対する糖質と脂質の消費カロリーを算出できる「呼気ガス測定」に挑戦。測定結果を矢田夕子コーチに解説していただきました。
写真左/杉博光さん(49歳)
走歴19年、フルマラソンベスト2時間37分33秒(23水戸黄門)。1日26kmもの通勤ランを取り入れ月間走行距離は600km。クラブメンバーに勧められ、2年前から継続的にMCTを摂取。サラダにかけたり、朝ラン前にMCT入りゼリーを飲みながらトレーニングを積み、昨年秋には自己ベストを更新。
写真右/大野善典さん(65歳)
走歴15年、フルマラソンベスト2時間59分24秒(2023東京)。MCTオイルを朝はスムージーに入れて、昼や夜は納豆や味噌汁に入れて日常的に愛用。長くサブ3を達成できずにいたが、MCTを摂りはじめてから30〜35kmが耐えられるようになり、昨年64歳で念願のサブ3を達成。
トレーナー・ランニングコーチ 矢田夕子さん
元実業団ランナーで、現在はトレイルレース、ウルトラマラソンのトップ選手。UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)準優勝、野辺山高原100kmウルトラマラソン優勝などの戦績を持ち、MCTオイルを使った「ファットアダプテーション」の実践者であり指導者でもある。パーソナルプログラムジム「TREAT」では脂質代謝と糖質代謝が分かる呼気ガス測定を行うなど、科学的なアプローチでランナーのパフォーマンス向上をサポートしている。
矢田さんの解説
MCTを普段摂取していない方に比べると、全体的に脂質代謝が回っているというデータが出ました。また、杉さんはいつも5分〜5分30秒のペースで20km以上走っていることから、その運動強度(赤い丸の部分)になっても糖質だけを使わず、脂質代謝が落ちずに走り続けられるカラダになっていることがデータから読み取れます。
杉さんコメント
MCTを摂り続けて終盤まで力を出し切れるように感じていましたが、このようなデータがとれて嬉しいですね。レースから離れた時期にLSDなどの運動強度を下げる練習も取り入れれば、より脂質代謝しやすいカラダになるとアドバイスいただいたので、更なる伸びしろとして試してみたいです!
矢田さんの解説
大野さんは、MCT摂取により脂質代謝がしっかり回っているというデータが出ました。けがをしたこともあり、強度が低いトレーニングを積極的に取り入れていることも影響しているかもしれません。マラソンペース付近(AT値付近/赤い丸の部分)でも脂質代謝が回っているので、マラソンペースでも糖質が節約できるカラダになっていると言えます。
大野さんコメント
マラソンシーズンに入る前に脂質代謝がしっかりできているということが分かり、大きな自信になりました。これからもMCTをしっかり取り入れながらコンディショニングを整えて、65歳でもサブスリーを達成したいです!
※年齢・⾛歴・⾃⼰ベストは2024年9⽉時点の情報です。